【獣医師監修】猫のおならが臭い!?おならをする理由と関係する病気・対処法まで
猫のおしりから人間のように『ぷっ』という音ではなく、空気が抜けるような『スー』という音は聞いたことがある人はいるのではないでしょうか。
実はそのおしりからでる『すー』という音こそが、猫のおならなのです。
猫のおならは音がすることは猫のお尻の構造上あまりありません。
しかしおならの音がしないから…といって猫のおならが臭くないわけではありません。
人間でもおならが基本的に臭いのと同じく、猫のおならも基本的に臭いものです。
猫を飼っていると知っていると思いますが、猫のおならは人間よりも臭いことがほとんどです。
しかし、猫のおならが普段よりも臭かったり、猫がおならをする頻度が多かったりするときにはなにか猫の体に異変が起こっているかもしれません。
猫がおならをする理由と共に心配な猫のおならについてご紹介します。
1.猫がおならをする理由
猫のおならは、人間と同じく食べたものを消化した際にでたガスを排出するための生理現象です。
猫がおならをしたからと言って、すぐに『病気だ!』と焦る必要はありません。
猫のおならは、基本的には無音のことが多いのでおならの音がせずにおならの臭いだけが急に漂ってきた際にも、よっぽど変なにおいでなければ猫の生理現象の範囲なので焦らずに様子を見ましょう。
そもそもおならの音は、どのようにして鳴るのかご存じですか?
おならをするときの『ぷっ』という音はおしりの皮膚と皮膚がぶつかる音なのだそう。
おならをするためにおしりを締め、そこにおならのガスが勢いよく出るときにおしりの皮膚と皮膚がぶるぶると小さく振動し、ぶつかり合い、おならの音が出ているようです。
人間はおしりとおしりの皮膚がよくぶつかる体のつくりをしていますが、猫の肛門まわりはぺたんとしていて、おしりの皮膚が振動でぶつかることが少ないため、猫のおならは無音であることが多いのでしょう。
ただ全く音がならないわけではなく、すごい勢いでおならが出てしまう時や、なにかの拍子に思わず肛門をぎゅっとしめたタイミングでおならがでてしまうと、猫でもおならの音がでるそうです。
常にすごい勢いのおならやぎゅっと肛門が閉まったおならをするわけではないので、音のでる猫のおならはかなり『レア』と言えます。
たまーに猫のおならの音が聞くことができるとかなりラッキーということですね♪
2.おならが出る仕組み
猫のおならが出る仕組みは、基本的には人間と同じです。
食べ物を食べると人間も猫も、胃の中で食べたものを消化します。
猫の胃が消化を行うとき、タンパク質はアミノ酸へ、脂肪は脂肪酸とグリセリへンという物質へ、炭水化物は単糖類に、と食べたものを食べた時よりもより小さい成分に分解し、腸内で消化・吸収しやすくしています。
しかし、食べ物に入っていた食物繊維や添加物のほかに、食べ物や水を飲むときに一緒に口に入ってくる空気などは胃や小腸では消化することができません。
消化できなかったものはそのまま大腸に運ばれていき、再度体で吸収できるよう分解されます。
大腸で分解される際に、食物繊維が腸内にある食べ物の発酵を促したことにより、ガスを発生させることがあります。
この腸内発生したガスこそが猫の『おなら』となるのです。
人間も食物繊維の多い食べ物を食べるとおならがよく出るようになる理由は、食物繊維がおならの元であるガスを生成しているからなのかもしれません。
3.猫のおならが人より臭い理由
猫のおならは基本的に人よりも臭いことがおおいです。
猫のおならが人よりも臭い原因は猫と人では、『食べ物の栄養バランス』が違うからです。
草食動物・雑食動物・肉食動物に動物は分けられますが、おならや排泄物がダントツで臭いのは『肉食動物』だと言われています。
では食べ物の違いでなぜ臭いに差がでるのでしょうか。
猫のおならの臭いの元はお肉などのタンパク質を分解するときにでる物質だといわれています。
お肉は食べるとアンモニアやインドール、スカトールなどいくつかの物質が大腸で発生するのですが、そのなかでも『スカトール』という物質がかなり臭いそう。
理科の実験などで『臭いから嗅がないように』と言われる『アンモニア』も臭いので、臭いの想像はつきませんがとにかく臭い物質が大腸で作られていることがわかります。
肉類を分解するときにでるこれらの臭い物質が猫のおならを臭くしている原因のようです。
タンパク質の多い食事をする猫のおならは必然的に臭くなります。
いつものフードよりもたんぱく質の多いフードを食べると、一時的に猫のおならが普段よりも臭くなることがあるようです。
4,心配な猫のおなら
猫のおならがいつもよりも臭い場合や猫のおなかが張っている場合には猫の体に何か異変が起こっている可能性があります。
猫のおならがいつもよりも臭くなる原因は、怖い病気などの可能性ももちろんありますが、単純に『猫のおならの臭いがいつもよりきつくなった』というだけなら、猫が消化不良を起こしている可能性があります。
猫がストレスや病気などで、悪玉菌が腸内に増えると、猫は消化不良を起こし、いつもよりも臭いのきついおならをすることがあるようです。
またストレスだけでなく、ごはんの食べ過ぎでも消化不良を起こすことがあります。
猫のおならがいつもよりも臭くても、猫自身が元気そうであれば、ごはんの量や普段の様子をよく観察し、様子を見てあげましょう。
5. 猫のおならに関係する病気
上記もしましたが、猫のおならがいつもより臭いときや、猫のおならから腐ったような『異臭』が続くときは、猫がなにか病気になっていることも考えられます。
猫のおならが普段よりも臭くなる病気とはどんなものがあるのでしょうか?
◆腸閉塞
腸閉塞は、猫の腸が何らかの原因でふさがってしまう病気です。
誤飲でも腸閉塞を起こすことがあります。
猫が腸閉塞を起こすとおならの原因であるガスが排出されづらくなり、おならが出たとしても異臭がするようになります。
猫が腸閉塞を起すと、おならが出ないためお腹が張るようになるだけでなく、うんこも出づらくなり、食欲もなくなり、複数回の嘔吐も見られるようになります。
腸閉塞は猫が死に至る危険性があります。
早めに病院に連れていきましょう。
◆膵外分泌不全症
膵外分泌不全症は消化酵素を小腸に分泌する機能が壊れてしまう病気です。
特に脂肪分の分解が難しくなるといわれています。
膵外分泌不全症になると猫のおならが異常に臭くなり、普段よりも猫のおならがよく出るようになります。
それだけではなく、下痢もすることがあるようで、例外もあるようですが、脂肪分の分解ができなくなるため猫が白っぽい下痢をするようになることが多いようです。
猫のおならの回数が普段よりも多くなり、臭く、白っぽい下痢もでているようであれば、すぐに病院に行くようにしましょう。
6.猫のおならの対処法・予防
猫のおならは、人間と同じく生理現象です。
猫のおならを止めることはできません。また、猫は肉食獣になります。
そのため、たんぱく質を摂取しないことはむずかしいため、猫のおならの臭いを『いいにおい』にすることは難しいと言えるでしょう。
しかし少し猫のおならの臭いを軽減する方法はあるのでご紹介します。
●ストレスを軽減させる
猫のおならの臭いを少しでも臭くさせないためには、猫にストレスを与えないことが大切です。
爪切りなど、猫が嫌がるけれど『絶対に』しなくてはならないこと』はあると思います。
猫のためにしなくてはいけないことは、猫のストレスになるとしても多少はしなくてはいけません。
しかし猫にかけなくてもいいストレスからは遠ざけてあげましょう。
●サプリを試してみる
猫のおならは、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増殖したときも、おならの臭いが強まる要因になります。
猫の腸内の善玉菌で優位なフェカリス菌のサプリを与え続けることで、腸内バランスが整い、おならの回数が減ったり、臭いが改善させることもあります。
●フードを変えてみる
猫のごはん(ドライフードやウェットフード、おやつ等)は、商品ごとに入っている成分が異なります。
ごはんが体質に合わなくて、猫のおならが臭くなってしまうこともあります。
猫のおならが『異常に臭い』というほどの臭いではない場合、猫のごはんを変えると猫のおならの臭いがマシになることがあります。
一度試してみてくださいね。
いかがでしたか?
猫のおならは音がならないので気が付くことも少ないものです。
猫のおならをもし聞くことや嗅ぐことができればしっかりと覚えておきましょう。
猫のおならの異常にいち早く気が付くことができるようになるかもしれませんよ。
【監修 小禄獣医師】
実はそのおしりからでる『すー』という音こそが、猫のおならなのです。
猫のおならは音がすることは猫のお尻の構造上あまりありません。
しかしおならの音がしないから…といって猫のおならが臭くないわけではありません。
人間でもおならが基本的に臭いのと同じく、猫のおならも基本的に臭いものです。
猫を飼っていると知っていると思いますが、猫のおならは人間よりも臭いことがほとんどです。
しかし、猫のおならが普段よりも臭かったり、猫がおならをする頻度が多かったりするときにはなにか猫の体に異変が起こっているかもしれません。
猫がおならをする理由と共に心配な猫のおならについてご紹介します。
1.猫がおならをする理由
猫のおならは、人間と同じく食べたものを消化した際にでたガスを排出するための生理現象です。
猫がおならをしたからと言って、すぐに『病気だ!』と焦る必要はありません。
猫のおならは、基本的には無音のことが多いのでおならの音がせずにおならの臭いだけが急に漂ってきた際にも、よっぽど変なにおいでなければ猫の生理現象の範囲なので焦らずに様子を見ましょう。
そもそもおならの音は、どのようにして鳴るのかご存じですか?
おならをするときの『ぷっ』という音はおしりの皮膚と皮膚がぶつかる音なのだそう。
おならをするためにおしりを締め、そこにおならのガスが勢いよく出るときにおしりの皮膚と皮膚がぶるぶると小さく振動し、ぶつかり合い、おならの音が出ているようです。
人間はおしりとおしりの皮膚がよくぶつかる体のつくりをしていますが、猫の肛門まわりはぺたんとしていて、おしりの皮膚が振動でぶつかることが少ないため、猫のおならは無音であることが多いのでしょう。
ただ全く音がならないわけではなく、すごい勢いでおならが出てしまう時や、なにかの拍子に思わず肛門をぎゅっとしめたタイミングでおならがでてしまうと、猫でもおならの音がでるそうです。
常にすごい勢いのおならやぎゅっと肛門が閉まったおならをするわけではないので、音のでる猫のおならはかなり『レア』と言えます。
たまーに猫のおならの音が聞くことができるとかなりラッキーということですね♪
2.おならが出る仕組み
猫のおならが出る仕組みは、基本的には人間と同じです。
食べ物を食べると人間も猫も、胃の中で食べたものを消化します。
猫の胃が消化を行うとき、タンパク質はアミノ酸へ、脂肪は脂肪酸とグリセリへンという物質へ、炭水化物は単糖類に、と食べたものを食べた時よりもより小さい成分に分解し、腸内で消化・吸収しやすくしています。
しかし、食べ物に入っていた食物繊維や添加物のほかに、食べ物や水を飲むときに一緒に口に入ってくる空気などは胃や小腸では消化することができません。
消化できなかったものはそのまま大腸に運ばれていき、再度体で吸収できるよう分解されます。
大腸で分解される際に、食物繊維が腸内にある食べ物の発酵を促したことにより、ガスを発生させることがあります。
この腸内発生したガスこそが猫の『おなら』となるのです。
人間も食物繊維の多い食べ物を食べるとおならがよく出るようになる理由は、食物繊維がおならの元であるガスを生成しているからなのかもしれません。
3.猫のおならが人より臭い理由
猫のおならは基本的に人よりも臭いことがおおいです。
猫のおならが人よりも臭い原因は猫と人では、『食べ物の栄養バランス』が違うからです。
草食動物・雑食動物・肉食動物に動物は分けられますが、おならや排泄物がダントツで臭いのは『肉食動物』だと言われています。
では食べ物の違いでなぜ臭いに差がでるのでしょうか。
猫のおならの臭いの元はお肉などのタンパク質を分解するときにでる物質だといわれています。
お肉は食べるとアンモニアやインドール、スカトールなどいくつかの物質が大腸で発生するのですが、そのなかでも『スカトール』という物質がかなり臭いそう。
理科の実験などで『臭いから嗅がないように』と言われる『アンモニア』も臭いので、臭いの想像はつきませんがとにかく臭い物質が大腸で作られていることがわかります。
肉類を分解するときにでるこれらの臭い物質が猫のおならを臭くしている原因のようです。
タンパク質の多い食事をする猫のおならは必然的に臭くなります。
いつものフードよりもたんぱく質の多いフードを食べると、一時的に猫のおならが普段よりも臭くなることがあるようです。
4,心配な猫のおなら
猫のおならがいつもよりも臭い場合や猫のおなかが張っている場合には猫の体に何か異変が起こっている可能性があります。
猫のおならがいつもよりも臭くなる原因は、怖い病気などの可能性ももちろんありますが、単純に『猫のおならの臭いがいつもよりきつくなった』というだけなら、猫が消化不良を起こしている可能性があります。
猫がストレスや病気などで、悪玉菌が腸内に増えると、猫は消化不良を起こし、いつもよりも臭いのきついおならをすることがあるようです。
またストレスだけでなく、ごはんの食べ過ぎでも消化不良を起こすことがあります。
猫のおならがいつもよりも臭くても、猫自身が元気そうであれば、ごはんの量や普段の様子をよく観察し、様子を見てあげましょう。
5. 猫のおならに関係する病気
上記もしましたが、猫のおならがいつもより臭いときや、猫のおならから腐ったような『異臭』が続くときは、猫がなにか病気になっていることも考えられます。
猫のおならが普段よりも臭くなる病気とはどんなものがあるのでしょうか?
◆腸閉塞
腸閉塞は、猫の腸が何らかの原因でふさがってしまう病気です。
誤飲でも腸閉塞を起こすことがあります。
猫が腸閉塞を起こすとおならの原因であるガスが排出されづらくなり、おならが出たとしても異臭がするようになります。
猫が腸閉塞を起すと、おならが出ないためお腹が張るようになるだけでなく、うんこも出づらくなり、食欲もなくなり、複数回の嘔吐も見られるようになります。
腸閉塞は猫が死に至る危険性があります。
早めに病院に連れていきましょう。
◆膵外分泌不全症
膵外分泌不全症は消化酵素を小腸に分泌する機能が壊れてしまう病気です。
特に脂肪分の分解が難しくなるといわれています。
膵外分泌不全症になると猫のおならが異常に臭くなり、普段よりも猫のおならがよく出るようになります。
それだけではなく、下痢もすることがあるようで、例外もあるようですが、脂肪分の分解ができなくなるため猫が白っぽい下痢をするようになることが多いようです。
猫のおならの回数が普段よりも多くなり、臭く、白っぽい下痢もでているようであれば、すぐに病院に行くようにしましょう。
6.猫のおならの対処法・予防
猫のおならは、人間と同じく生理現象です。
猫のおならを止めることはできません。また、猫は肉食獣になります。
そのため、たんぱく質を摂取しないことはむずかしいため、猫のおならの臭いを『いいにおい』にすることは難しいと言えるでしょう。
しかし少し猫のおならの臭いを軽減する方法はあるのでご紹介します。
●ストレスを軽減させる
猫のおならの臭いを少しでも臭くさせないためには、猫にストレスを与えないことが大切です。
爪切りなど、猫が嫌がるけれど『絶対に』しなくてはならないこと』はあると思います。
猫のためにしなくてはいけないことは、猫のストレスになるとしても多少はしなくてはいけません。
しかし猫にかけなくてもいいストレスからは遠ざけてあげましょう。
●サプリを試してみる
猫のおならは、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増殖したときも、おならの臭いが強まる要因になります。
猫の腸内の善玉菌で優位なフェカリス菌のサプリを与え続けることで、腸内バランスが整い、おならの回数が減ったり、臭いが改善させることもあります。
●フードを変えてみる
猫のごはん(ドライフードやウェットフード、おやつ等)は、商品ごとに入っている成分が異なります。
ごはんが体質に合わなくて、猫のおならが臭くなってしまうこともあります。
猫のおならが『異常に臭い』というほどの臭いではない場合、猫のごはんを変えると猫のおならの臭いがマシになることがあります。
一度試してみてくださいね。
いかがでしたか?
猫のおならは音がならないので気が付くことも少ないものです。
猫のおならをもし聞くことや嗅ぐことができればしっかりと覚えておきましょう。
猫のおならの異常にいち早く気が付くことができるようになるかもしれませんよ。
【監修 小禄獣医師】