『猫はグルメ』と言われています。
実際に、猫には餌の味の好みがあったり、美味しいものに対してすごく興味を持ったり…。
確かに『猫はグルメだな』と感じることはあります。
猫は「食べ物なのか食べ物ではないのか」の判断を『嗅覚』に頼っているそうですが、味の好き嫌いに関してはきちんと『味覚』で判断しているのだとか。
しかし、猫は人間の味覚とは感じ方や趣向が違うのだそう。
猫はどんな味を感じることができ、猫はどんな味を一番美味しいと思うのでしょうか？
グルメな猫の『味覚』について探っていきます。
◆猫は味覚に敏感？
『猫はグルメ』というイメージがあるように、猫は餌を味覚で好き嫌いの判断をしています。
では、猫はそれだけ味覚に敏感なのでしょうか？
実は『味覚』を感じる器官は、猫は犬よりも少ないのだそう。
私たち人間もそうですが、味覚は舌にある『味蕾(みらい)』という小さな器官で感じ取ります。
人間の舌には約10000万もの味蕾があり、繊細に味の違いを感じ取り味の判断をします。
犬には約2000の味蕾があり、感じにくいものなどもあるようですが、しっかりと味覚を感じることができるようです。
しかし、猫には味蕾が1000以下しかありません。
そのため、猫は味をおおざっぱにしか感じることができないのだそう。
さらに、感じることのできない味覚もあり『味覚が発達していてグルメ』というわけではないようです。
◆猫の感じる『味覚』は？
①酸味
猫が感じることのできる味覚のなかで一番感じやすい味覚が『酸味』なのだそう。
なぜ猫は酸味を感じやすいのでしょうか？
実は、猫が酸味を感じやすい理由は猫が『肉食動物』だからという点にあります。
猫が主食としている肉には『リン酸』や『カルボン酸』といった酸が含まれています。
肉に含まれる酸味に敏感に反応できるように、猫は酸味を一番感じるようになったようです。
また、リン酸やカルボン酸などの酸味を猫は『旨味』と感じるのだそう。
しかし、猫はクエン酸やオレンジなどの臭いを嫌うので、猫はすべての酸っぱいものが好きなのかと言われると、一概に『酸味が好き』とは言えないかもしれませんね。
②苦味
猫の感じることができる味覚のなかで次に感じやすい味覚は『苦味』だと言われています。
しかも猫の苦味を感じるセンサーはかなり高度で、他の動物たちに比べると格段に苦味を感じやすいのだそう。
しかし、苦味は『旨味』を感じるために発達した味覚ではありありません。
猫は元々は野生で狩りをしていたハンターです。
自分で獲物を捕まえ、とった獲物は小分けにして食べていたと考えられています。
また道端で死んでしまった生き物などを、猫が食べることもあったでしょう。
そんな狩りをした獲物や死んでしまった動物の肉は、時間が経つと当然ですが『腐敗』します。
腐ってしまった肉には『苦味』が出ます。猫はそんな『苦い肉』を食べないため、苦味センサーが発達したのではないかと言われています。
『苦味』の味覚の発達は猫が自分の体を守るために、発達した味覚なのかもしれませんね。
③塩味
猫は塩味も感じることができると言われていますが、酸味や苦味に比べると感じにくい味覚のようです。
基本的に猫の味覚は『酸味』と『苦味』が大半を占めていて、塩味はほんのわずかにしか感じることができないと言われています。
塩味が嫌いだから味覚的に感じない、というわけではなく、猫は塩味を感じなくても困ることがなかったため、塩味を感じる味覚が発達しなかったのだそう。
猫は肉食動物です。
肉食動物の餌である動物の血液には、ある程度『塩』が含まれています。
餌を食べているだけで、生きていく上で必要な量の塩分を摂取できることから、猫は塩味に対して鈍感になったのではないかと言われています。
◆猫がわからない味覚
猫は『甘味』を感じることはできないと言われています。
さらに、猫の遺伝子を調査した結果、甘味を受容する遺伝子が欠損しているそうなので、本当に猫は甘味は感じられないようです。
しかし…『うちの子、甘いものが好きなんです』という猫も見たことがあるので、ちょっと驚きです。
猫の主食である肉には甘味が含まれていないため、猫は甘味を感じる必要性がなく、甘味を全く感じないのではないかと言われています。
では、なぜ甘味を好む猫がいるのでしょうか？
実は甘味を好む猫は『甘い味』に惹かれているわけではなく、甘い匂いに惹かれているのではないかと言われています
いかがでしたか？
猫は味覚を感じることができる器官は少ないかもしれませんが、自分のからだが必要とするものや自分の体を守るための味覚はしっかりと発達していることがわかります。
またその中で味の好みも猫ごとにあるようなので、味覚は発達していませんが『猫はグルメ』ということに間違いはないみたいです。
