あなたは大丈夫?猫好きが陥りやすい「多頭崩壊」よりも怖い「二次崩壊」とは

By bzp00343 2019/01/11
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猫が大好き!猫さえいれば幸せ。その気持ちはよく分かります。しかし猫が好きすぎて、気がつけば家にいる猫の数が10匹を超えてしまった……。それはよほどの大豪邸でない限り、ちょっと無理があるかも知れません。

2016年の最新のデータによると、全国で多頭飼育に関する苦情件数はおよそ1800件。悪臭や鳴き声による近隣からの苦情以外でも、自分から、もう増え過ぎてとても飼育できないと飼育を放棄し、猫をそのままを置き去りにして転居するケースもあったそうです。

猫をそのまま置き去りにするなんて、それは多頭崩壊プラス虐待ですよね。しかしそんな飼い主さんも、最初は野良猫をなんとか救ってあげたいという、優しい気持ちではじめた人がほとんどのはず。

海外では、多頭崩壊(アニマルホーダー)は、精神疾患による病理的な問題として扱われています。
うちは大丈夫、と今は思っていても、突然の地震や災害が来たら?あなたは全ての猫ちゃんを救える自信、対策はできていますか?

そしって猫好きなら誰もが「可能性」がないとはいえないのは、実は「多頭崩壊」よりも「二次崩壊」。その理由について調べてみました。

 

■法律上、ペットの飼育数は決まっているの?


日本の法律では、ペットは個人の「財産」の一部として扱われています。ですから、「何頭以上飼ってはいけない」等、複数頭・多頭飼育を禁止する法律はありません。

しかし、動物愛護法によれば、第七条で、

「動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。」

と記載されています。そしてその中で、

「動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。」

と書かれています。やはり「適正な数」しかペットは飼うべきではないという見解のようです。

 

■10頭以上飼育する場合は届出が必要


日本全国の都道府県全てではありませんが、ペットの飼育頭数の届出義務に関する規定がある県もあります。

・犬猫合わせて10頭以上飼育する場合の届出義務がある県:埼玉県、滋賀県
・犬猫合わせて10頭以上飼育する場合の届出義務と繁殖制限義務がある県:山梨県
・犬猫合わせて6頭以上飼育する場合の届出義務と周辺住民への説明努力規定がある県:佐賀県

さらに1歩進んで、知事が指定した規制地域において犬猫合わせて10頭以上飼育することを禁止しているのは鳥取県です。

 

■猫好きさんに気をつけて欲しいのは「二次崩壊」


これは私の周辺でもよく問題になるケースです。二次崩壊とは、いわゆる「ボランティアの共倒れ」のこと。

多頭崩壊の話を耳にすると、民間のボランティア団体や猫が大好きな個人が、崩壊した飼い主に介入して猫をレスキューしようとするのはよくある話。

しかし猫への愛情が強すぎて、ついつい自分が保護できる頭数以上の猫を受け入れてしまい、許容能力を超えた時に、助けるはずのボランティアまでが飼育不可能となってしまう現象を"二次崩壊"と呼ぶのです。

実は猫好きさんに気をつけて欲しいのは、多頭崩壊よりもこちらの「二次崩壊」。これはいつもは冷静な猫好きさんが、凄惨な現場を見てしまうことで、「私が助けなきゃ!」という気持ちが強くなることで起こります。

「1匹しか無理だから……。」と分かっているのに、目の前でか細い声で鳴く子猫を見捨てられず、3匹引き取ってしまった、何とかしてくれない?という相談、ボランティア仲間の間ではしょっちゅう聞きますよね。

 

■最後に


いかがですか。実は怖いのは、多頭崩壊よりもこちらの「二次崩壊」。優しい気持ちは本当によく分かりますが、この二次崩壊は、猫も飼い主さんも不幸になってしまうことを頭によく入れておきましょう。

あなたの家には、すでにあなたがいないと生きられない愛猫がいるはず。万が一の災害時、たくさん猫がいたおかげで、逆に1匹も命が救えなかった、ということにならないように、くれぐれも気をつけてくださいね。
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