猫は痛みを隠す動物。猫の痛みのサインを「ペイン・スケール」で判断しよう

By bzp00343
猫は痛みを隠す動物。猫の痛みのサインを「ペイン・スケール」で判断しよう
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猫が気持ち良さそうに日向ぼっこをしている……。様に見えて実は! それは「痛みを堪えている」のかもしれません。

猫は具合が悪くても、体のどこかが悪くても、表に出さずにじっと静かに耐えることが良くあります。飼い主さんから「気持ち良さそうに昼寝」している様に見えて、実は「痛くて死にそう!」な場合もあるのです。

猫の痛みに気がつけるのは一緒に暮らす飼い主さんだけ。でも、猫が「今どれくらい痛いのか?」という度合いについて、飼い主さんはきっと判断に悩むこともあるはず。

そんなときに役立つ、猫の痛みを評価する「ペイン・スケール」があります。猫の様子がおかしい!と思ったときは、この「ペイン・スケール」を参考にしてみてください。

 

■猫の「ペイン・スケール」は5段階


この「ペイン・スケール」では、猫の痛みのスコアを0から4まで5段階で評価します。


・0段階(痛みなし):満足げで静かである。休息中の呼吸もゆっくりで心地よさそう。周囲に関心が向けられ、おやつや猫じゃらしにも反応を示す。痛い部分を触れられても反応はない。

・1段階(軽度の痛み):周囲から少し距離を置いたり、日々の行動に変化が見られる。普段ほどおやつやおもちゃなどに興味や関心を示さないが、目で追うといった行動はできる。痛い部分を触れられると反応はあったりなかったり。

・2段階(軽度~中程度の痛み):しゃがみこむ。頭が肩より下がり、四肢は体の下に折りたたんでいる。尻尾は体に沿ってくっついている状態。いわゆる「香箱座り」をぐっと深くした様な状態をすることがある。

外界に反応することが減り、飼い主とのコンタクトを避けようとする。行動は静かで目は輝きがなくなり閉じ気味になる。丸まって寝たりしゃがみこんだ姿勢が多くなる。毛がパサついたり逆立っている。痛みのある部位を舐める。食べ物に興味を示さず食欲が低下する。

痛い部分を触れられると攻撃的になったり逃げようとする。しかし痛い箇所に触れなければ気にしない。

・3段階(中程度の痛み):これぐらいになると、持続的に鳴いたり、唸ったり、そばに人がくると、飼い主さんでも威嚇したりする。痛みのある部位を舐めたり噛んだりする。動こうとしない。
痛い部分を触れられると唸ったり攻撃的になり、威嚇を繰り返す。

・4段階(中程度~重度の痛み):倒れる様に横たわる。外界に対する反応や周囲への関心がなく名前を呼んでも気を引くのが困難。威嚇したり攻撃するよりは人のケアを受け入れられる様になる。(普段は人に触らせない猫でも、この段階になると触らせる様になる)

痛い部分を触れられても反応しない。動くと痛いので体がこわばっていることもある。

 

■痛みがある時の猫の行動


怪我や突発的な痛みなら、飼い主さんも猫の変化に気がつきやすいのですが、「慢性的な長期にわたる痛み」はつい見過ごしがちになります。

痛みがある時の猫の行動は、一般的に活動する時間やグルーミングする時間が減ったり、動きが緩慢になります。

飼い主さんにゴロゴロと甘えるのが大好きだった猫が、触られるのを嫌がる様になったら要注意でしょう。

また、人や同居している猫などとの接触を避け、アイコンタクトを無視したり静かで暗い場所に行きたがることもあります。

今までしなかった座り方をしたり、寝方も痛みがある側を下にして寝ることも多くなります。耳は常に横に倒したまま、目はやや細めて釣り上がり気味、しかめっ面など、猫の顔の表情から痛みを察することもあるでしょう。

大体の目安として

・寝ている時間が長くなる
・活動量が低下する
・敏捷に動かなくなる
・感覚機能(五感)の低下
・食欲がなくなる
・寒がる
・呼んでも来ない
・寒くて暗い場所で丸くなる

のは猫にとってなんらかのエマージェンシーコール。SOSを発しているサインです。飼い主さんは早く気が付いて、動物病院へ連れていってあげましょう。

 

■最後に


猫が痛みを感じている時。猫の性格にもよりますが、多分「ニャーニャー」と鳴いて教えてくれるのは稀です。

猫は自分の体に異常を感じると、まずするのは敵に狙われることがない様に「カムフラージュ」しようとします。

しかし猫の様子を日頃からよく観察していれば、「あれ、今日はなんだか変だな」「今日はなぜか不機嫌かも?」と猫の変化に気がつくはず。

普段から、猫とのスキンシップはマメにとっておいてくださいね。
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