日本とはこんなに違う!外国人が考える動物(ペット)の福祉とは【後編】

By bzp00343
日本とはこんなに違う!外国人が考える動物(ペット)の福祉とは【後編】
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日本と西洋の「ペット」に対する考え方の違い。実はとてもとても深いのです。私が一番驚いたのは、「ペットが死んだ後」の考え方。

日本人の場合は、ペットが死ぬと何らかの形できちんと埋葬し、供養をしますよね。命日を覚えていてその日にお花を供えたり、お寺では動物の慰霊祭をするところもあります。

ところがアメリカやヨーロッパでは、「ペットが死んだ後」まで彼らを悼む気持ちは希薄なようです。何らかの病気でやむなく安楽死させた場合でも、ペットの遺体を引き取らず、そのまま動物病院へ置いていってしまう飼い主もいるのだとか。

日本の場合、動物(ペット)は命あるもの。しかし西洋ではSentient  beings(意識あるもの・感受性のあるもの)という捉え方なのだそうです。

ちょっとわかりにくいかも知れませんね。環境省の自然管理局、動物愛護管理室の室長、則久雅司先生に聞いた、日本と西洋のペットへの考え方の違いについてご紹介しましょう。

 

■ペットは物!?




日本では、ペットは共に生きる命、家族という捉え方があります。しかし西洋では、ペットとは

「神が人間の資源として与えた(管理・支配)すべき物」

という見方をしているといいます。家族ではあるけれど、同じ命というよりも人の方がかなり「上から目線」の考え方ですよね。

そしてペットへの考え方も異なります。日本が動物は生きていることを優先し、なるべく殺すことを避ける思想なのに対し、西洋では「苦痛を与えないこと」が最優先課題。生殺与奪の権利は飼い主次第という考えです。

 

■苦しませるのは「生きる」よりも辛い?


この考えは法律にも反映されています。日本の法律がペットは「終生飼育」が基本、とにかくペットを生かし続けることを大切にするのに対し、西洋では

「苦痛を与えない飼い方と殺し方を求める」

のだとか。動物を苦しませるくらいなら安楽死を選ぶ飼い主が多いのはそのあたりの思想の違いにあるようです。

そして日本の動物愛護法がペット(犬猫などの家庭動物・展示動物)だけに特化しているのに比べて、西洋の法律では犬猫などの家庭動物・展示動物の他に実験動物や産業動物、野生動物にもこの考え方で接しているそうです。

西洋で達成している動物殺処分0の背景には、シニアで病気で苦しんでいるペットには「安楽死」という方法を病院側が日本よりも躊躇なく行っているから?かも知れません。。。


いかがですか。このペットに対する日本と外国の考え方の違い。どちらもペットを愛し、慈しむ気持ちは同じでも、基本的な考え方にはかなり隔たりがあるようです。

それににしても、イギリスのPSPCA(英国王立動物虐待防止協会)のように民間で動物を愛する人がたくさん働き、それを仕事にしている人もいるのに比べ、日本ではまだまだ無償のボランティア頼みなのが現状です。何とか変えて行きたいですね。
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