慣れていない猫を保護したら

By miki017
慣れていない猫を保護したら
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とある初夏の夕暮れ、娘から電話
「子猫拾ったから連れて帰るね(≧▽≦)」
ええええーーーと慌てふためいて片付けていたケージを組み立てる私…。
その日から子猫育てが始まりました。夏の暑い季節の保護は里親探しにも苦戦し、その子は結局4ヶ月もの間、我が物顔で我が家に君臨し、私や先住猫をメロメロにして、素敵な里親さんの元へ旅立っていきました。

その子を皮切りに怒涛の保護活動が始まりました。保護するのはなにもすぐ里親さんが決まるような子猫ばかりではありません。
今回は6ヶ月もの間、保護したくて追い回したサビ猫のことをお話します。近所の人から「汚い!」と言われ石を投げつけられるのを見たからです。

6ヶ月も母猫の元にいると、すでに子猫ではなく若猫です。それはもうしっかりと野良猫修行を受けていて、やっと保護出来て喜ぶ私の顔を見るやシャーウーパンっ!! 
ちなみにシャーは怖い時に牙をむいて威嚇する様(実際に攻撃はほぼしません。ヘビを模した威嚇といわれています)、
ウーは怒って唸る声、パンっ!(かっ!)は空気砲とも呼ばれているのですが
口を開けて噛み付こうとする様…サビ猫も怖かっただろうけど、私も本当に怖かった。

最初はケージに入れ先住猫と完全隔離します。いわゆる家猫修行のスタートです。ケージにはトイレと新鮮なお水、落ちつける寝床を用意します。ご飯は置き餌にしないでその都度運びます。それによってこの人間は怖くなく、美味しいものを持ってくる人だと認識してくれるからです。

それと忘れたらダメなのが革手袋。豚革の園芸用のが分厚くておすすめです。お外にいた猫は爪が伸びてるので引掻かれて手が傷だらけになるし、怖くて手を引っ込めると猫にナメられます(笑)手を引っ込めないでいると、引っ掻いても無駄なんだとそのうち学習してくれます。
 

最初は怖がってケージの柵にしがみつきこちらに見えるのは背中だけ…もしくはケージの一番奥で固まって微動だにしない子も多いです。保護したサビ猫もそうでした。

それでも毎日革手袋をつけながら、おいしいご飯を運び、トイレ掃除をし、オヤツをあげてご機嫌を取る日々が続きました。。
少し慣れたかなと思い距離を縮めるとまたシャーと怒られ、正直心が折れることもたびたびありました。

ある程度ケージ環境に慣れてきた頃、今度はここから出せーーー!と鳴き攻撃が始まります。人には怒るけど先住猫の姿を見ると甘えた声を出したりする子も多いです。
「ああ、可哀想」
「ひょっとして猫となら仲良くなるのかな」
「そろそろ部屋に開放しようかな」

と、悩みながら辛そうに鳴くからと、ケージから出してしまう人がいますが、これは絶対NGなんです。

もしも先住猫がいる場合、人より先に猫と仲良くなってしまうと、人慣れさせるのは至難の業になってしまいます。いわゆる家庭内野良~家の中にいるのに全く人には馴れず近寄れず抱っこも出来ない~になってしまう確率が上がるんです。そうなると家猫修行も進まず里親さんもなかなか決まらない。猫のためにもそれだけは避けたいですよね。

慣れていない猫を保護したらとにかく心を鬼にして自由に触れるまで、できれば自由に抱っこできるまでは絶対の絶対にケージから出さないこと、これを徹底すれば家庭内野良なんて存在しなくなるはずです。
(*どんな劣悪環境下での保護であれ、概ね保護当時の年(月)齢×3倍の期間が最長と言われています)

人に十分に慣れたらまずはお爪を切り、しっかりと検査して健康状態を把握し、ワクチンを打ってから先住猫と合流させます。それが先住猫に対する最大のリスク回避ですね。

人の手の優しさ、温かさを知った子は自然と先住猫とも仲良く出来るものです。あんなに怒りまくっていた子が、先住と並んで手からオヤツを食べてくれた時の嬉しかったこと!あれはマジで涙が出ますよ。

慣れていない猫を保護した時にやってはいけないこと。それは、
・素手でのお世話
・置き餌
・慣れていないうちにケージから出してしまうこと

この3点を徹底すれば、どんなに怒っていた子でも、数カ月後には抱っこでき、喉をぐーぐー鳴らして、あなたを幸せにしてくれるはずです。
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