猫歴＝年齢のワタクシ。一度だけですが、猫のせいで死にかけたことがあります。
死にかけた、というのは大げさですが、普段全く病気知らずの人間にとって、あの発熱と体調不良は今思い出しても苦しくなります。
あなたが飼っている愛猫。いつもは甘えたの愛くるしいにゃんこでも、突然『凶暴なトラ』に変貌することがあります！
これは「転嫁行動」と呼ばれる困った行動。どんな猫にもあり得る行動です。一体どんなことで猫がトラに変わってしまうのか、私の経験をご紹介しましょう。
☆いきなり豹変！転嫁行動の恐怖
大事な家族、子猫だったカイトを拾って1年が過ぎた冬、完全室内飼いをしていたカイトは窓の外を眺めるのが大好きでした。その日も朝から2階の窓から登校する小学生や、ゴミ収集車などをのんびり眺めていたと思います。
そんな時、いきなり窓に大きなカラスがカイトめがけて飛んできたのです！窓枠すれすれに現れたカラスにカイトはびっくり仰天。文字通り飛び上がって後ろにあったテーブルにぶつかり、たまたまそこに置いてあった熱いコーヒーのカップをガチャンとひっくり返してしまいました。
「わぁ～カイちゃん大丈夫！」
と大声をあげてカイトの火傷を気にして近づいた私に、いきなりカイトは牙をむき出し、うなり声をあげて飛びかかってきたのです。なんと顔をめがけて！
いつもの可愛い顔が獣そのもの。シャーッとうなり声をあげて私の腕にかみついたカイト。甘噛みとはとてもいえない凄い力で私の親指に噛み付いて離れません。激痛と恐怖で私もパニック状態。
あまりの激痛に思わずカイトを振り落としてしまった私。カイトは私を睨みつけながら、ジリジリと部屋の隅に移動、そのままうずくまってしまいました。
普段から甘噛みの経験はありましたが、今回は親指に5ミリ程度の穴があくほどの深いかみ傷と無数の引っ搔き傷。今まで経験したことのない、凄まじい攻撃でした。
幸いコーヒーで火傷はしなかったものの、数分間はカイトは猫と言うよりは、「トラ」そのものの顔つきで部屋の隅で私を睨んでいました。
☆転嫁行動とは？
このときは私は知らなかったのですが、これは猫の「転嫁行動」と呼ばれる行為。何らかの原因でいきなり興奮し、攻撃的な気持ちになった猫が、もともとの原因とは無関係な相手に攻撃をしかけることをいうそうです。
ひどい！私からみれば全くの八つ当たりですが、カラスに驚いたカイトは、飛び上がった瞬間にぶつかった熱いコーヒーカップを、私が攻撃したのと勘違いしたのかも知れません。
この転嫁行動状態の猫は、相手に本気で攻撃をしかけてくるため、怪我をする可能性が高くとても危険です。
後編では猫が転嫁行動に陥った時の対策と、実は怖い猫のかみ傷についてご紹介します。