【化け猫】もしかして本当に化ける?猫が化け猫といわれる3つの根拠

By bzp00343 2016/05/23
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幽霊、妖怪の話はたくさん聞きますが、動物の中で一番「妖怪」に近い動物は?と聞かれたら、思い浮かぶのは「化け猫」という言葉。

猫以外でも他の動物、例えば狐やたぬきも化けると言われていますが、猫はその中でも「化けて恨みを晴らす」というような、ちょっとオドロオドロしいイメージがありませんか?

そもそも化け狐、化けたぬき、とは言いませんよね。どうして猫だけ「化け猫」という言葉が定着したのでしょうか。

猫が化ける、と言われはじめたのはなんと鎌倉時代から。鎌倉時代に書かれた『古今著聞集』には、奇妙な行動をとるネコのことを「魔の変化したもの(化け猫)ではないか」と疑う記述があるそうです。

 

■化け猫の由来は


始めて「化け猫」がきちんと文章で表されている書物として有名なのは、江戸時代中期から後期にかけて存在していた旗本・南町奉行の根岸鎮衛が30年以上書きついだ随筆「耳袋」だと言われています。

この根岸鎮衛という人物は下級旗本の3男として生まれましたが、持ち前の才能を生かして出世を重ね、最後は松平定信により勘定奉行に抜擢された人物。

好奇心が旺盛な人物だったらしく、仕事の傍、同僚や町民から聞いた珍しい、面白い話を聞いて随筆として発表しています。

この耳袋の中に、「化け猫」の話がいくつかあります。その中で、一番有名な化け猫の話をご紹介しましょう。
 

●根岸鎮衛『耳袋』巻の四「猫、物をいう事


寛政七年の春のことだ。

牛込山伏町の何とかいう寺では、猫を飼っていた。
その猫が庭におりた鳩を狙っているのを和尚が見つけて、声をあげて鳩を逃がしてやった。
そのとき、猫が、
「やっ、ザンネン!」
と呟いたのである。

聞いた和尚は驚いた。裏口の方に走っていく猫を取り押さえると、手に小柄(こづか)をかざし、
「おまえ、……」
「………」
「今、しゃべったな!」
「にゃあ?」
「ごまかすな。猫のくせにものを言うとは、恐ろしいやつ。さだめし、化けて人をたぶらかすのであろう。さあ、人語を話すなら正直に申せ。さもないと、坊主ながら、殺生戒を破ってでも殺してしまうぞ」
猫は観念したとみえて、こう応えた。
「ものを言う猫なんて、珍しくもない。十年以上生きた猫なら、みんなものを言うぞ。それから十四五年も過ぎたら神変も会得できる。もっとも、そこまで生きる猫は、まずいない」
「そうなのか……。ならば、おまえがものを言うのは無理もない。しかし、おまえはまだ十歳になっていないではないか」
「狐と交わって生まれた猫は、十年に満たなくてもものを言うのだよ」

和尚はしばらく考えた。それから、
「今日まで飼ってきたおまえを殺すのは、やはり忍びない。おまえがものを言ったのを、ほかに聞いた者はいないから、わしが黙っていればすむことだ。これまでどおり、この寺にいるがよい」
と言って、放してやった。

猫は三拝してその場を去った。
そのまま何処へ行ったか、行方知れずになったそうだ。

(*http://home.att.ne.jp/red/sronin/_koten/0125shabetta.htmより抜粋)
 


■猫が化けるといわれる3つの根拠


①猫は人間にだけ鳴く


「かなり長生きした猫は化け猫となり喋ることができる」という都市伝説があります。しかし平成4年の読売新聞には

「ネコが人間の言葉を喋ったという話は、単にネコが口ごもった鳴き声が、人間の言葉によく似ているので聞き間違いにすぎない」

という記事が掲載されています。

猫は子猫と母猫の間では鳴き声でコミュニケーションを取りますが、成猫になってからは仲間同士でのコミュニケーションの手段として鳴き声はあまり使わないそうです。

家猫は飼い主さんや家族にだけ鳴く、とも言われています。しかし動物の中で他の動物に対してこのようなコミュニケーションを取る動物は稀。


まるで猫は人間と自分を同等に考えているようですよね。そんな猫は人間から見ると「化け猫」のように感じたのかも知れません。



②猫の生態がミステリアス


ネコは夜行性で暗闇で眼が光ります。そして毎日時刻によって瞳の黒目(虹彩)の形が変わります。

暗闇でも物がよく見えますし、足音を立てずに歩くなど、行動がミステリアスです。そして昔は、猫は二本足で立って行灯の油をぺろぺろと舐めたとか。その姿はまさに化け猫、というイメージがピッタリ。

そんな猫の生態は、やはりミステリアスだと思われるようです。
 

③猫は仏教とともに伝来したから


縄文時代から日本人と行動をともにしてきた犬に比べ、猫はもともとは中国から仏教の大事な教典をネズミから守るために一緒の船に乗る事を許可された輸入動物です。

そのような背景もあって、人は昔から「猫」には不思議な雰囲気を感じていたのかも知れません。

そして昔、化け猫は当時の伝説やお芝居の演目にもなりました。飼い主の恨みを猫が晴らす、という内容の演目はまさに化け猫が主人公。「化猫遊女」や「鍋島の化け猫騒動」は特に有名です。

ミステリアスな伝来と復讐、怨念を晴らすという演目にぴったりだった化け猫。やはり化け猫は存在する、と当時の人は本当に信じていたかも知れませんね。


いかがですか。【化け猫】伝説。同じペットでも「化け犬」という単語は見た事がありません。化け猫は飼い主の味方です。愛猫が化け猫になったとしたら、それは飼い主への愛情が深いからかも。そう考えると化け猫は怖くありませんよね?
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